次に読みたい論文

*1サーベイではあるのですが、僕にはショッキングな内容でした。




CAPMに関しては実務家の立場と経済学者の立場で大きな溝があります。
CAPMを期待リターンのコンセンサス指標に過ぎなく、より真の姿に近い資産価格モデルを使うことによって、人はアクティブリターンを得られるとする実務家(例えばGrinold-Kahn)。一方で、CAPM一般均衡における期待リターンを表現するモデルであって、過去の実現された「平均リターン」を説明するモデルではないとする経済学者(例えばBlack)。CAPMの開発者の一人であるSharpeの本では、CAPMの弱点を克服する方法(むしろ、より真の思想に基づいた方法)として、以下の修正案を提唱しています。

  1. 近似にすぎない2次の効用関数ではなく、相対リスク回避度が一定のベキ型効用関数を利用する。
  2. 労働資本等、財を生産するすべての資産を考慮に入れること。
  3. 将来の不確実性に対して、投資家すべてが完全な合意をしていると仮定しない。

勉強の中でこのような対立の主張を学ぶにつれて、僕の信仰もぐらぐら揺れていました。

しかし、Cochraneの論文によると、金融経済学者の間でもCAPMランダムウォーク仮説、効率的市場仮説を否定する立場が拡がりつつあるようです。近いうちに要約をまとめてみたいと思います。